4.クマタカ

 熊鷹の羽根は、模様が裏まではっきりと通っているものを上等としています。
 一説にはオスの羽根がそうだと言われていますが、
 動物園で見た限りではメスでも裏の模様がはっきり見えました。
 流通している羽根では裏の模様がほとんど見えないものもあり、
 オスメスの違いとともに亜種変種等についても今後確認していきたいと思います。
 なお、矢に付けた時に末が黒い場合をはえの頭と言うそうです。

 櫂方は、符が元に向かっていく逆符になって重用されますが、
 特に天羽近くでは逆符がはっきりとします。
 逆に開きは末に向かった模様になります。

 白と黒の数によって三符三符(みふみふ)と呼んだりしますが、
 この数が少ない程高価です。

 手羽根については、丈夫さはもちろん尾羽根とは全然違いますが、
 尾羽根と同様の模様であり、良い物は犬鷲の尾羽根と同じくらいの値段となります。


5.ナカジロワシ
 
 正式な名前はわかりませんが、中白の尾羽根の鷲がいます。
 カンムリワシと言う人がいるようですが、カンムリワシは白い部分が灰色に近く、
 見た感じはハチクマのある種の模様に近いものです。

 大鷲などと同様に高価ですが、実は羽根が大きすぎて、そのまま使うと
 元黒か妻黒になってしまう場合があり、中央で切り詰めるのが普通と聞いています。

 オオワシの中白に比べて、模様の境がはっきりとしています。
左からクマタカの
ホロの開きの裏、表、
尾の開きの裏、表です。
ナカジロワシです。
イソワシの尾羽根の開きです。
磯鷲の模様も様々ですが、
先が黒いのは珍しいようです。
イソワシの尾羽の
片側分ですが、
場所によって櫂方の形が
変わっていくのが
よく判ると思います。

また、櫂方と開きでは、
たいていの鳥で開きの方が
はっきりとした模様と
なるようです。

天尾は、両側とも開きの
性質が強いように思います。
6.磯鷲(イソワシ)

 以前、南アジアの海岸にいる鷲だと聞きました。
 一説にはミサゴワシと言われていますが、
 北海道にいるミサゴワシの剥製と比較したところ、模様は違っていました。
 しかし、鳥の羽根は年齢性別で変わりますので、本当に違うかは確認できていません。

 手羽根も尾羽根も切符状の模様で、時折とても奇麗なものも見られます。
 鳥の大きさから言って、鷲とは言ってもあまり丈夫ではなく、
 熊鷹と同程度の強さではないかと思います。

 おおざっぱに言って模様のはっきりしているものとしていないものがありますが、
 年齢・性別の違いのためか、あるいは変種亜種などを総称して
 イソワシとしているかもしれないので、今後確認確認していきたいと思います。

7.白鷹(ハクタカ)

 昔は練習矢に随分と使われたものです。
 手羽根も尾羽根と模様が似ており、安価なのもあってたくさん使われました。
 ケアシノスリのようです。
 白地に少し茶色の符があり、特に石打はなかなか奇麗ですので、
 弓の弱い方や女性では好んで使っている人も多かったのではないでしょうか。

 小型の鳥ですので、丈夫ではありません。

8.ハチクマ

 蜂熊鷹の模様は、白い部分が多いものと少ないものがあり、いろいろです。
 大きな個体では、尾羽根で中白的な模様がとれる場合があります。
 尾羽根、手羽根ともに使われますが、石打は小さく強い弓では使えないでしょう。

 丈夫ではありませんが、奇麗な羽根です。
白鷹は石打がとても綺麗で
上品な感じがしますが、
他の猛禽と同様に
手に入りにくくなっています。
ハチクマの羽根は小さいですが、
特に開きは目立つ模様です。

左の写真は上が天尾で下が石打です。

下の写真の矢は手羽根です。