羽根の雑学
犬鷲の右の翼の先頭部分で、
矢師の言う風切り羽になります。
(鳥の専門家の言う風切りとは違います。)
櫂方の形が一枚ずつ変わっていくのが
判ると思います。
左の写真の櫂方と上の写真を見比べると、
どこの部分を使っているのかが判ります。

上の矢は白鳥、下の矢は犬鷲か熊鷲です。
上下の写真とも大鷲の尾羽根です。
個体の差が大きいので、数を見ていないと、
なかなか何の鳥なのか判りにくいかと思います。
上は粕尾の尾羽、下は手羽根です。
現物を見ると、両者は間違えにくいのですが、
写真だけでは危ういですね。

粕尾も個体の差が大きいので、この写真は
ほんの一例ということです。
真っ白の羽根ではさみが入っていると、
写真では何の羽根か全くわかりません。

大鷲、尾白鷲、犬鷲、白鳥、七面鳥、、、、、
現物を見ても白鳥と七面鳥の見分けはしろうとには
困難なことが多いです。

これは、犬鷲の尾羽根ですが、
真っ白が取れるのは珍しいです。
上は、犬鷲の尾羽根の開きで、
下が手羽根のホロあたりだと思います。

犬鷲の尾羽根については、矢を誂える際に
好み(時に価格)に応じて白と黒の比率を
ある程度自由にできますが、
手羽根については、普通は最大限に
白の面積を稼ぐようにします。
左の上は犬鷲石打、下は熊鷲石打です。
矢羽根としては違う名前がついていますが、
同じイヌワシの羽根で、
犬鷲が幼鳥、熊鷲が成鳥になります。

犬鷲、熊鷲にもいろいろな模様があり、
下の写真の乙矢の走り羽は、
犬鷲との中間のような模様です。
このページの下側5枚の写真は全て同じ種類(イヌワシ)の鷲の羽根です。
やはり数多くの矢を見ていないと、見分けるのは難しいものですね。