中白の石打ですが、羽根にちょっと詳しい人でしたら、
冠鷲だと思うかもしれません。

実はこれは、ハチクマ(蜂熊)と聞いています。
元矧のあたりは、ちょっと白くなっていて、
ぎりぎりで15センチとって中白となっています。

ハチクマの模様は変化が大きく、いろいろありますので、
矢師が揃えるのが大変な反面、
使う側は好みのものを探せる楽しみもあるかと思います。

(もっとも、模様を揃えられるだけの在庫を持っているお店は少ないでしょうけれど。)
白鷹の石打です。
弓具店のホームページを見ると、まだ比較的安価なようで、
石打を使ってみたい女性にはお勧めの羽根です。

きれいなのに安い、、、ということは、
手に入りやすかったということかとも思うのですが、
比較的小さな鳥で羽根が弱いいうこともあってか、
私が弓を始めた頃でも、
それほど多くの人が使っていたような記憶はありません。

もっとも、そのころから白鷹石打の風合いにはあこがれていました。

もちろん、今では手に入りやすいものではなくなっています。

きれいなので私は好きなのですが、
強めの弓を使っている方には向きませんのでご注意ください。
まとまりがない話が続きますが、これは桜の皮を使った矧です。

桜の皮をはいで、表面に紙ヤスリをかけて平らにし、
裏面も小刀などで十分に削って薄くして使っていることと思います。

箆に巻く時は、いきなり皮を羽軸にかぶせるのではなく、
麻を平らにきっちりと巻いた下地を作ってから、その上に巻くことになります。

きれいなものですが、上手に仕上げるのはなかなか大変です。
矢師にお願いすると、糸巻きとは違って別料金になりますから、
高級矢でしか見られないでしょう。

3カ所の矧を全て桜にする場合と、筈巻きだけ同系色の糸とする場合があるようです。
左の写真は全て巻藁用で、右隣の写真が矢尻です。

矢尻に角を使う場合、昔は単に竹に差し込みましたが、
現在は金属で締めるような形にして
差し込むことがほとんどだと思います。

これは、竹にそのまま差し込むと、
竹が割れやすいのと、根が抜けやすいからのことです。

普通の板付を付けてパイプカッターで先を切り取り、
角製の根を差し込んで取り付けます。

板付を切り落とす場所がちょっとでもずれると、
隙間があいたり、きちんと止まらなくなってしまいます。

ちなみに左の写真は、上から磯鷲石打、犬鷲風切、
白鷹石打、蜂熊石打、熊鷹風切、不明? です。
蟇目など、はさみを入れない大きな羽根を使う場合は、
羽根を付ける位置を工夫する必要があります。

左の矢は、大きな蟇目が付いていますので、
羽根の長さも18センチとし、位置も筈から遠ざけるようにしています。

下の写真の場合は、通常の矢と同じ場所に付けていますが、
これですと弦と走羽がくっつきますし、取り懸けもやりにくくなります。

ちなみに、左の羽根(犬鷲のナタの開き)を的矢に使うと、
黒の多い冴えない模様となりますので、何かで遮って比較してみてください。
矢の雑記帳2
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