少しだけ弓の話
以前、掲示板で弓のことも話題になりました。
私の持っているなかで特徴のある弓を紹介します。

3枚の写真は、21代目柴田勘十郎さんの製作による4寸延びで、
側木の杢のきれいなものです。

細かな模様の側木は「しこ杢(もく)」などと呼ばれる杢です。
全体にここまで細かな杢は、めったに見ることができないものです。
私のように矢尺がある場合、このような杢弓は
「しない」と呼ばれる皺や割れができやすいということで、
この弓には、見えている下に弓の力を発揮するための
素直な木目の側木が入っています。

もう1張の側木は縄目杢とか、虎目杢と呼ばれるものです。
また、額木・関板には伊勢神宮境内のツゲを使っているという
特別な弓で、分厚く、30キロ以上はあります。
塗り弓を1張、ある先生から譲っていただきました。

柴田さんも塗り弓は得意で、すばらしい弓を作りますが、
これは違う制作者の作品です。

その昔、弓師が道場まで来て販売していったそうです。

かなり使われた古いもので、傷みも出てきていますが、
上下に貝を散らしたすばらしい細工です。

よく観察すると、下に巻いている糸も見えます。
塗り弓は、節を少し削ってから糸を巻くと聞いています。

この弓は、弦音も矢勢も良いのですが、
もったいなくて最近は使っていません。。。
仕事柄もあるのですが、木材が大好きですし、弓も好きなので、
しこ杢の切れ端を分けていただいて、
ネクタイピンやブローチなどを作って、楽しんだりもしています。

左の写真の上は、ローズウッドやツゲなどと組み合わせたものです。
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弓の話は2ページあります。
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