羽根は、ゴム系の糊で接着しました。
一番見栄えの良い羽根を走り羽、次を外掛羽にします。

円周をきちんと三分割することと、
羽根をまっすぐに貼ることは なかなか難しい作業です。
失敗したらやかんでお湯を沸かして、
たっぷり蒸気を当てて剥がし、やり直します。

また、蒸気を当てて接着剤を柔らかくすると、
ほんの少しですが位置をずらすこともできます。

次に右のように直径2pほどの紙キャップを被せます。
羽軸の筈側は、この後、適当な長さに切ります。
矧糸は、普通は絹糸を使いますが、
今回は金糸にしました。

従来からある金糸は、芯になっている絹糸がとても弱く、
巻いている途中で簡単に切れてしまい悔しい思いをするので、
芯が化繊の丈夫な糸のものを使う方が便利です。

金糸は表面が金属箔です。
それが剥がれると最初から巻き直しになるので注意します。

また、巻き始めと巻き終わりが滑って止まりにくいので、
上中央と右の写真のように、
ちょっと木工ボンドを付けるのも手だと思います。

糸を巻く際は、箆の反対側をズボンのベルト通しに入れると安定します。
糸を巻いたら、木工ボンドを塗ります。
羽軸のあたりをきちんと塗らないと、
トップコートを塗る際に、裏から染みこんで、
きたなくなってしまいます。

ちなみに昔はゼラチンを使ったようです。
ゼラチンは経年変化で黄色っぽくなるようです。

今回は木工ボンドを2回塗り重ねた後、
カシュー塗料の「透き」で仕上げました。

ただ、節約して古い固まりかけの塗料を使ったので、
ちょっと斑のある仕上がりとなってしまいました。
わずかのお金を惜しんではいけなかったと反省。

縁取りは苦手ですのでしませんでした。
紙のキャップを外すと、羽根はくしゃくしゃになっていますが、蒸気をたっぷり当てて延ばすと元通りに戻ります。
羽中節が光って見えますが、今回の箆の節は、漆芸で使う砕いた貝殻を透明なカシュー塗料に混ぜて埋めています。
鋏で羽根を切り、筈の外周と溝をヤスリで調整し、
板付を入れれば完成です。

鋏は刃渡りが短いとうまく切れません。
筈側からまっすぐ切って幅を決め、
次に元矧側の曲がりを切りますが、
羽根が逃げますのでなかなか難しいものです。

ちょっと芋っぽい仕上がりですので、
そのうち少し調整することにしましょう。

重さは1本あたり40グラムですので、
途中で4グラムほど増えたことになります。

なお、2本の重心のずれは1p程度でしたので、
バランス調整はしませんでした。
必要な場合はクスネに砂鉄を混ぜた物を
竹の中に入れて火箸で融かして固定します。
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矢の自作工程3